衣料にもバリアフリー、関連2団体の仕掛け人たち――普及目指し基準作り。(2000年3月9日)

■いつ?
1999年3月
■どこで?
東京・中央区
■誰が?
今井啓子会長(資生堂ファッションディレクター)
■何をした(する)?
ユニバーサルファッション協会を発足させ、2000年1月にはデザイン、素材などユニバーサルファッション製品の基準を設けてマークを制定した。

■なぜ?
高齢者、体の不自由な人、健常者の区別なく着られる衣料を開発するため。
■どのように?
・2000年3月9日の日本経済新聞の記事によると、3月9日当時会員は高島屋、レナウンなど約40社とアパレル関係の個人会員120人だという。

・会長の今井啓子氏は、高島屋の商品企画担当者として海外の最先端のファッションに約20年携わった。約15年前に退職、米国に留学して健康学を専攻したのがきっかけで、年齢、体形、障害のために市販の服で満足しない消費者が多いことを実感したという。

・「今のファッションは業界は若い人の衣服を作り出すことが優先で、中高年の服を作ることが劣勢という図式がある。年齢を重ねるとファッションの選択肢が少なくなることは、人権を認めてないことと同じ。」と今井氏は強調する。

特集――関西2010年タイムトリップ、提言の骨子(関西21C戦略)(2000年1月17日)

■いつ?
2000年1月頃
■どこで?
関西
■誰が?
関西21世紀戦略委員会
■何をした(する)?
関西地域活性化にむけた提言を出した。その提言の中に、UDに関する記載があった。

■なぜ?
日本再生に役立ち、地域活性化のモデルになるため。
■どのように?
・提言の中に次のような記載があった。

・「千里ハッピーエルダー先端都市」として、2000年から、日本初の大規模団地、千里ニュータウン(大阪府吹田市、豊中市)を舞台に、エルダー層の活力と知恵を生かした次世代混住の21世紀型コミュニティーの先端的な実験を始める。
・「千里ハッピーエルダー先端都市」実現のために、NPO、住民の相互扶助、ネット活用、UDの導入などあらゆるソフトを視野に入れて、行政区域の壁を越えて、街の再生の道を探るという。

・誰もがゆっくり、安心して回れるように配慮した周遊路「ユニバーサルデザイン街道」の整備を進める。

・観光地や公園などのパブリックスペースにの整備には、みんなが安心して使えるように工夫したUDを取り入れ、施設間の連携を呼びかける。施設対応だけではなくボランティアガイドなど参加型のソフトを導入し、名所旧跡を含め、利用しやすさを大きく向上させるという。

■参考資料
「特集――関西2010年タイムトリップ、提言の骨子(関西21C戦略)」『日本経済新聞』2000年1月17日,朝刊,20面

特集――関西2010年タイムトリップ、充実エルダー都市(関西21C戦略)(2000年1月17日)

■いつ?
2000年1月頃
■どこで?
千里ニュータウン(大阪府吹田市・豊中市)
■誰が?
非営利組織(NPO)「千里生きがいネットワーク」
■何をした(する)?
本格化する公営住宅の建替えを機に、公営住宅へのUDの導入を働きかけている。

■なぜ?
超高齢化のモデルとなるとともに、若い世代も呼び込んで、新しい概念のニュータウン作りを目指すため。
■どのように?
・「生きがいネットワーク」は大阪府の吹田、豊中両市にまたがる千里ニュータウンで活動する非営利組織(NPO)が緩やかに連携して旗揚げした。

・「生きがいネットワーク」の活動の柱は介護コーディネート。相談窓口を設け、ニュータウン内で活動する福祉系NPOを紹介する。介護保険枠外の配食や送迎などにも対応、加盟NPOのサービス内容をチャックする機能も持つ。

・乳児所の保育所送迎や預かり、共働き世帯の児童の遊び相手のほか、小中学生との交流促進も軌道に乗ってきた。若い夫婦への家賃補助や、空き家へのスモールビジネスの誘致なども計画中。

・近く本格化する公共住宅の建て替えを機に「すべての人に優しい」設計思想で、バリアフリーを1歩進めたUD導入を働きかけ、実現に動き出している。

元旦第2部特集――「21世紀夢の技術展」今夏開催、次代リード主要5分野(2000年1月1日)

■いつ?
2000年7月21日~8月6日までの17日間
■どこで?
東京国際展示場
■誰が?
株式会社日本経済新聞社(主催)
■何をした(する)?
情報・通信、生命科学など来世紀の主導的な5技術分野の最先端の成果を一堂に集めた「21世紀夢の技術展」(通称=「ゆめテク」)を開催する。
■なぜ?
21世紀を見据えた日ごろの研究・開発成果や将来展望をわかりやすく披露するため。
■どのように?
・「21世紀夢の技術展」では、21世紀を主導とするとされる科学技術の分野を「情報・通信」「生命科学」「環境保全」「宇宙・海洋開発」「生活基盤」の5つに大別し、出展者が最新成果を踏まえて様々な提案をする。

・技術開発に意欲的な中堅・ベンチャー企業や地方自治体の展示コーナーが設定されるほか、2000年プロジェクトのもう一つの柱である連続シンポジウム「ミレニアム会議」や科学セミナーなど、様々なフォーラム、アトラクションも予定されている。

・2000年1月1日の日本経済新聞の記事によると、「少子高齢化の進展で、21世紀は福祉・介護などを技術面で支えるライフ・サポート・テクノロジーや障害・年齢に関係なく健常者にも使いやすい設計概念のUDが脚光を浴びる」との記載があり、その最新成果をフランスベッド株式会社が「21世紀夢の技術展」で披露するという。

・新エネルギー・産業技術総合開発機構は失語症患者に住宅での自習訓練と遠隔治療を可能にする言語リハビリ支援システムや、下肢障害者にスカイスポーツへの道を開く支援機器などの実機を展示して、社会的弱者に明るい将来を提示する。