ユニバーサルデザインの笹間焼 カップや茶わん35点を商品化/茨城・笹間(2004年5月10日)

■いつ?
2001年6月頃から
■どこで?
茨城県笹間市
■誰が?
茨城県窯業指導所と地元の陶芸家
■何をした(する)?
UDを採用した笹間焼の食器を試作し、商品化した。
■なぜ?
「食のユニバーサル化」への取り組みから。
■どのように?
・2004年当時、握力が弱っていても持ちやすい形にしたカップやスープ皿、茶碗など35点を商品化した。

・茨城県窯業指導所では2001年6月から試作を始め、皿はスプーンですくう際に食べ物が外にこぼれないよう縁が内側に反った形にデザインした。カップなど持ち上げるものは、取っ手のデザインを持ちやすい直線に改めて軽量化し、わずかな傾斜でも飲み物が口に入るように、内側を円すい型にくりぬいた。しかし、焼くと反りが戻ってしまうこともあり、強度を保っていかに薄く軽くするかなど、商品化までには試行錯誤が続いたという。

・笹間市内では、高齢者や障害者向けにUD食器を使い、食事制限がある人も食べられる低カロリーメニューを提供するレストランも登場した。

・2004年5月10日の読売新聞によると、UD食器は笹間市内にある約230の窯元のうち、13件で販売している。

・問い合わせは茨城県窯業指導所(0296・72・0316)まで。

・2004年5月10日の読売新聞では、UDは「年齢や障害の有無にかかわらず、すべての人に利用しやすい施設や製品のデザイン。1990年代に、米国の建築家、故ロナルド・メイス博士が提唱したとされ、日本でも近年、住宅や自動車、衣類など多くの分野でUDが導入されている。」と解説されている。

■参考資料
「ユニバーサルデザインの笹間焼 カップや茶わん35点を商品化/茨城・笹間」『読売新聞』2004年5月10日,東京夕刊,18面

[今日のノート]病院での装い(2004年5月11日)

■いつ?
2004年5月頃
■どこで?
大阪
■誰が?
開業医支援会社「メディサイト」マネジャーの松本敦子氏
■何をした(する)?
病院におけるUD製品の開発を行った。
■なぜ?
患者支援のボランティア団体のアンケート調査で、入院患者の多くがパジャマに対して不満を抱いていることがわかったから。
■どのように?
・パジャマの下が透けて見えるのを防ぐため、胸元に小さなポケットをつけ、ウエストをヒモで調整できるベストを開発。

・抗がん治療などによる抜け毛を隠すバンダナ型のケア帽子も製品化した。これまでスキー帽をかぶっていた女性から喜ばれているという。

・ベスト、帽子いずれも実用新案を取っており、患者だけではなく一般の人でも使えるよう配慮されている。

・母親が入院していたときの経験を生かし、「暗くなりがちな病院生活に話題を提供し、明るくしたかった」と松本氏は語る。

■参考資料
「[今日のノート]病院での装い」『読売新聞』2004年5月11日,大阪朝刊,14面

[ユニバーサル社会]人に優しいデザイン みんなで体験しよう(2004年5月11日)

■いつ?
2004年5月頃
■どこで?
臨海副都心「メガウェブ」(東京都江東区青梅)
■誰が?
トヨタ自動車株式会社(本社・愛知県豊田市)
■何をした(する)?
ユニバーサルデザイン車の常設展示場「トヨタ ユニバーサルデザイン ショウケース」を開設。
■なぜ?
記載なし。
■どのように?
・「トヨタ ユニバーサルデザイン ショウケース」の広さは2750平方メートルで、場内は7つに分けられており、見たり、聞いたり、体験したり、ゲーム感覚で車を含めたUD全般を理解できるよう工夫されている。

・中でも人気なのが生活・事務機器、台所用品など約400点を集めた「ユニバーサルデザインコレクションウォール」。他社製洗濯機や伝統工具など、あらゆるUD製品を展示する。足の入らないテーブルなどを実際に使い、使いにくさを体験する「違和感テラス」や、同社のUD車の「試乗コーナー」も評判がいい。

・車椅子の人やオストメイト(人工肛門などの利用者)、子供連れにも使えるトイレ、ベビールームなどもあり、展示場そのものがUD仕様。トヨタ自動車株式会社の広報部では「UDは暮らしの中で身近なテーマ。使いやすく、楽しく、美しいことを、実感してもらえるはず」としている。

・開館は午前11時~午後9時まで。休館日は不定。入場料は無料。

・詳しい情報はメガウェブ(電話03・3599・0808、http://www.megaweb.gr.jp)で。

■参考資料
「[ユニバーサル社会]人に優しいデザイン みんなで体験しよう」『読売新聞』2004年5月11日,東京朝刊,16面

乗り降りサッとできる自転車「ラックル」発売へ/宮田工業(2004年5月26日)

■いつ?
2004年6月21日
■どこで?
全国
■誰が?
宮田工業株式会社(本社・神奈川県茅ヶ崎市)
■何をした(する)?
ユニバーサルデザインフレームの自転車「ラックル」を発売した。
■なぜ?
記載なし。
■どのように?
・サドルの前のフレームを低くして乗り降りしやすいように配慮したUDフレームを採用。

・フレームが足に引っかかりにくい形状とし、足を高く上げずに乗り降りできる。また、ペダルの面積を大きくし、サンダル履きでも滑りにくいように工夫をしている。

・タイヤのサイズは24インチと26インチで、価格は3万4440円~4万740円。

・問い合わせは宮田工業株式会社(0467・85・3333)まで。

■参考資料
「乗り降りサッとできる自転車「ラックル」発売へ/宮田工業」『読売新聞』2004年5月26日,東京朝刊,11面

整備進む茨城町「桜の郷」 バリアフリーの街実現=茨城(2004年6月1日)

■いつ?
2004年6月から
■どこで?
茨城県茨城町桜の郷
■誰が?
茨城県高齢者福祉課「桜の郷整備推進室」
■何をした(する)?
宅地開発中の「桜の郷」地区の2004年10月の街開きを目指し、県営住宅への入居を始める。
■なぜ?
国立病院機構水戸医療センターを核とした、子供や高齢者、障害者ら誰もが過ごしやすい街を目指す大型事業として。
■どのように?
・「桜の郷」の総面積は約57ヘクタールで、西側約25ヘクタールが2004年6月当時、先行整備中であった。中心施設となる水戸医療センターは敷地が約7.1ヘクタール。診療科23科で、500床、1日あたり900人の外来患者を見込んでいる。付属看護学校や職員住宅も整備される。

・水戸医療センターは、常磐道水戸ICから車で約10分の距離にあり、水戸駅などから路線バスも運行する予定である。

・「桜の郷」西側の住宅地区は「すべての人にやさしいUDの街」として、車椅子も移動しやすいよう、道路の傾斜を緩やかに、道路と住宅敷地、歩車道の段差がほとんどないバリアフリーの設計を採用。約4.3ヘクタールに約120戸を建設予定。2004年1月の第1次分13区間はモデル住宅として公開され、通常価格より約5%ほど安かったこともあってか、完売した。

・2004年6月1日の時点では西側の敷地でも民間向けの約2.6ヘクタールに施設建設の予定がなく、東側は整備時期も未定であった。

■参考資料
「整備進む茨城町『桜の郷』 バリアフリーの街実現=茨城」『読売新聞』2004年6月1日,東京朝刊,30面