ユニバーサル住宅 見えてきた理想像 家族構成・身体状況、変化に応じ改修(2003年8月29日)

■いつ?
2003年8月頃
■どこで?
・北海道帯広市

・ユニバーサルデザイン館(茨城県総和町)

■誰が?
・帯広市

・積水ハウス株式会社ハートフル生活研究所

■何をした(する)?
・「ユニバーサルデザイン住宅建設資金貸付制度」を設置。

・車いすや装具を使って、高齢者や障害者にとっての使い勝手を疑似体験できるモデル住宅を展示。

■なぜ?
・人に優しい街づくりの基本は住宅。在宅での生活が続けられれば、将来的には介護保険財政も助かるはずだから

・顧客の老後への関心が高まったから。

■どのように?
・「ユニバーサルデザイン住宅建設資金貸付制度」とは、市の基準を満たせば五百万円の無利子融資(返済期間二十年)を、地元金融機関から受けられる制度のこと。

・市が無利子融資制度を始めたのは1999年。市のユニバーサル住宅設計指針(97年)に基づく貸し付け基準を満たすことが条件だ。基準は、そのままでどんな障害があっても住みやすいようにする設計は求めていない。広いトイレや廊下、段差のない室内など、基本的な構造をあらかじめ確保しておけば、将来、必要に応じてわずかな改修を行うだけで住み続けることができる、という考え方だ。

・融資対象は年30件。介護保険とは別に50万円を支給する住宅改造資金補助制度と共に住宅政策の大きな柱だ。

・住宅のユニバーサル化の追求は大手住宅メーカーでも盛んだ。住宅最大手、積水ハウスの「ユニバーサルデザイン館」は車いすや装具を使って、高齢者や障害者にとっての使い勝手を疑似体験できるモデル住宅だ。

・握力を弱くする装具を付ける。大きな取っ手でないと、扉は開けにくいことがよくわかる。階段昇降機は怖かった。車いすに乗ると、確かにドアより引き戸の方が使いやすい。廊下幅が十センチ違うことで通りやすさが大きく違うのが実感できた。

・同社ハートフル生活研究所の後藤義明部長は「家を建てる働き盛り世代は、かつては高齢者になった時のことを人ごとと感じていた。今は関心の度合いが高まっている」と顧客の意識の変化を感じている。

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