スーパーや百貨店にらくらく試着室増えてます【大阪】(2000年9月9日)

■いつ?
2000年ころ
■どこで?
全国
■誰が?
スーパーや百貨店
■何をした(する)?
車いすでもゆったり使えるよう考慮された広めの試着室を備える店が増えてきている。
■なぜ?
試着室のバリアを取り除くことで、そこまで足を運ぶための交通機関の環境など周辺環境の見直しが進むきっかけになればと考えたため。
■どのように?
・2000年7月にリニューアルオープンした大阪吹田市のイズミヤ千里丘店では、2階にある婦人服と紳士服売り場に一つずつ、車いすの人と介助者が入れるように考慮して幅2メートル、奥行き1.6メートルの試着室が設けられた。

・2000年3月にオープンしたダイエー泉佐野店(大阪)の婦人服売り場の真ん中には、2メートル四方の室内をカーテンで仕切れるベビーシートもついた試着室が設けられた。

・周辺の環境などから客の40%が50代以上を占め、1999年「ゆったり試着室」を設けた八王子そごう(東京)の外販店次長の上野憲一氏は、将来は年齢や障害のあるなしに関係なくおしゃれを楽しむ「ユニバーサルファッション」のコーナーも充実させたいと語った。

・広い試着室設置には課題もあり、「ユニバーサル・ルーム」と名付けた広い試着室を開発したメーカー「YKY」の笠原勝英常務は「今は景気がよくないので、積極的なところは少ない。たとえ広い試着室を設けても、その試着室までスムーズに行けるかどうかなど、店全体の見直しも必要になる。腹をくくってやらないとできないのです」と話す。

・試着室や公共トイレのユニバーサルデザインを積極的に提言している総合せき損センター(福岡県飯塚市)の松尾清美・主席研究員は「障害や高齢で車いすを使う人も消費者として組み込んでいくのが社会的責務だ。その一つとして試着して購入できる環境を整えることも必要」と評価する。自身も車いすだが「だれもがいつかは年を取る。障害を持つ人たちが利用できるようにしておけば、だれもが利用できるという位置づけで環境を整えることが求められている」と訴える。

使いやすい通信機器にマーク 大きなボタン・光でお知らせ【大阪】(2000年9月9日)

■いつ?
2000年9月上旬
■どこで?
全国
■誰が?
電話機などのメーカーや電気通信事業者、障害者団体などで構成する「電気通信アクセス協議会」
■何をした(する)?
障がい者や高齢者にも使いやすい電気通信機器に対して、基準ともいえる「障害者等電気通信設備アクセシビリティガイドライン」とシンボルマークを決め、シンボルマークを対象の電子通信機器につけることにした。
■なぜ?
電子通信機器を選ぶ際の目安にしてもらうのと、こうした機器の普及のため。
■どのように?
・シンボルマークの対象になるのは、例えば押す場所を誤らないように、キーやボタンを大きめにしたり、間隔を広くしたりした各種の機器で、登録しておいた相手からかかった場合、音声で知らせてくれる電話機などもある。

・該当する商品は製品本体のほか、パンフレットや包装などにもシンボルマークが使える。

・シンボルマークの「U」は、だれもが使いやすいことを意味するユニバーサルデザインの頭文字で、2つの●は人と人との触れ合い、コミュニケーションを表す。

・電気通信アクセス協議会の事務局によると、該当製品は「電気通信アクセス協議会」のホームページ(http://www.ciaj.or.jp/access)に2000年9月末頃から載せ、その数ヵ月後には店頭に並ぶ製品にマークをつけたい、という。

電動スクーターを貸します 神戸でショップモビリティ事業/兵庫(2000年6月28日)

■いつ?
2000年7月1日から11月まで
■どこで?
神戸市長田区のJR新長田駅南側の商店街地域
■誰が?
地元商店主ら
■何をした(する)?
電動スクーターを高齢者に貸し出し、買い物をしてもらう「ショップモビリティ事業」を始める。
■なぜ?
高齢者に優しいまちづくりで商店街の活性化を目指すため。
■どのように?
・今回のショップモビリティ事業は県から2000万円の助成金を受けて2000年11月まで実施するが、好評なら助成期間が切れる12月以降も続けたいと2000年6月28日の朝日新聞は伝えている。

・神戸市長田区のJR新長田駅南側の商店街地域内の再開発ビル「アスタくにづか」に電動スクーターを5台常備する。登録制で週3回(火、木、土曜)、午前10時から午後6時まで利用でき、事前予約が必要だが、申し込めば商店街までのタクシー送迎サービスを受けることも出来る。

・商店主らでつくる「アスタきらめき会」の伊東正和会長は、今後建設される予定の再開発ビルについて「既存の建物や町並みを高齢者や障がい者にも使いやすくするためには手間も費用もかかる。この地域は一度更地になるから、設計段階からバリアのない『ユニバーサルデザイン』に出来るはず」と語った。

・事業に関する問い合わせは、新長田まちづくり会社の東さん(078・646・3005)まで。

音声入力 溝埋める教育・制度を(情報格差の足音:下)(2000年6月23日)

■いつ?
記載なし。
■どこで?
記載なし。
■誰が?
日本アイ・ビー・エム株式会社
■何をした(する)?
「障がい者も健常者も高齢者も使いやすい」というユニバーサルデザインの考えを導入している。
■なぜ?
対象を限定するのではなく、広げる。そうすれば需要も増えると考えたため。
■どのように?
・神奈川県大和市にある日本アイ・ビー・エムの研究所では、2000年当時、視覚障害者向けのパソコンへの音声入力ソフトや文字拡大ソフトなどの開発がされていた。

・2000年5月に発売したノートパソコンの特定のキーに、棒を使ってキーを押しても滑らないように細長い小さな突起をつけた。

・他にも、ふたを開けるための突起、キーの位置を示す本体のへこみなどを加えた。

「ユニバーサルデザイン」掘り起こせ 日本、先取りの動き (2000年03月25日)

■いつ?
1999年4月から
■どこで?
静岡市内
■誰が?
千代田タクシー(静岡)
■何をした(する)?
後部から車いすのまま乗り降りできる福祉車両を使った「ユニバーサルキャブ」を運行している。
■なぜ?
福祉タクシーの役割はわかるが、障害者が乗る車と、区別や限定をしないサービスと考えたため。
■どのように?
・加藤高立社長は、「福祉タクシーではありません。健常者が一人でも乗れ、大家族の移動に使うことも歓迎です」と語り、幅広い顧客に対応できることを強調した。

・「ユニバーサルキャブ」は定員を多くしているため、料金は普通のタクシーよりやや高いが、時間制料金の福祉タクシーよりは安い。

・「ユニバーサルキャブ」は、フランチャイズ方式で、横浜市や長崎市など全国七市で2000年03月頃までに計十数台まで増えたが、この方式を束ね、タクシー会社社長らが出資してつくった「ユニネット」(東京)の岡秀明社長は、「駅の客待ちでほかのタクシーに邪魔者扱いされる例もある。料金も引き下げたいが、定員の関係で大型車扱いになる。まだまだ壁があり、手探りです」と話している。